フィットネス・ボクシングは日本フィットネスボクシング協会

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さまざまな格闘技系エクササイズが登場しブームの様相を呈していますが、 そのさきがけは『フィットネスボクシング』。 楽しく安全で効果的、そして刺激的なこのプログラムはさらなる輝きを放っている。                                                                       ーHN編集部ー
【フィットネスボクシング(FB)とは…】

私が、フィットネスボクシングを考え始めたのは、今から約9年前の1995年の初頭だった。

フィットネスクラブでのスタジオレッスンは、それまでの爆発的な人気に少し翳りは見えたものの、依然すぐれたエクササイズであるエアロビクスの人気が高く、(私自身、ボクシングのクロストレーニングとしてよく参加していた。)スタジオタイムスケジュールの大部分を占めていたように記憶している。

しかし、それゆえ、音に合わせて動くことが苦手で、レオタードなどに気おくれしてしまう人達(その多くは男性)がスタジオでのエクササイズに参加することに躊躇し、スタジオが最大限有効的に利用されているようには思えなかった。

そんな時、多くの「if」が私の頭の中で浮かんでは消えた…。

もし、この8カウントの中にボクシングのパンチを入れたら…。

もし、ボクシングのディフェンスやステップワークを入れたら…。

答えは「GO」だった。

第1の理由として、ボクシング自体、他の種目に比べ、片寄った変則性の動きが少ないシンメトリーな動きで構成されているため、フィットネスプログラムとして有効なこと。

第2に、ボクシングは強(動)と弱(静)の繰り返しで行われるため、メリハリのあるテンポの良い展開で進行できること。 第3に、パンチを打つ爽快感は理屈抜きにストレス解消につながること。

そして、第4の理由として、ボクシングベースのスタジオプログラムであれば、それまでスタジオに足を踏み入れることがなかった、あるいは、踏み入れることができなかったに人達が参加しやすいものになるであろうと予想できたこと。

以上が、フィットネスを基軸としたボクシングのプログラム「フィットネスボクシング」を作り出す理由だった。

しかし、問題点が山積していた。

当時のフィットネス業界では、ボクシングを含め「格闘技=危険」の概念は相当のものであった。

その頃、海の向こうのアメリカでは、サンドバッグを何本も完備し、リングまで備えたクラブが増えつつあると言う情報は、日本のフィットネス業界でも一部知られ始めてきていたが、「それはそれ。これはこれ。」というのが現状で、「ボクシング=危険」の概念を取り払うための理論と、スタジオで行う安全でかつセンセーショナルなプログラムを作る必要があった。

このような、背景から多くの人たちの協力のもとにFBは誕生した。

プログラムは、2つに分け、AFB(エアロ・フィットネス・ボクシング)とCFB(コンタクト・フィットネス・ボクシング)。

AFB(1995年から1998年半ば頃まではEFBと呼んでいた)は、音楽に合わせ、メインパートを8×4のコンビネーションで展開するもの。

CFB、一言で言い表すならスタジオで行うボクシング教室的なプログラム。

また、このプログラムは参加者に目的をもって行ってもらう方がベターとの考えから、競技化もされている。 FBが当時のフィットネスシーンで受け入れられ、浸透して行くためには、先に上げた理由から、AFBが絶対的に優先だった。

幾多のプログラム改正を重ねながら、多種のニーズに答えられるよう、エアロビクス要素の強いプログラムや、ボクシングをリアリティーに表すことのできるプログラムを作り上げ、また、リードするインストラクターの個性で自信をもってレッスンができるよう、すべて動きが決まったマニュアルはあえて作らず、AFBの養成コースで基本的なボクシングスキルと理論に時間をかけ、メインパートの応用は、インストラクター自らが作れるようになることを目標として行ってきた。

今、現在もその方法は変わっていない。

以上、フィットネスボクシングがプログラム化された過程を説明してきたが、実はJFBAが発足当初からフィットネスクラブに導入したかったプログラムがある。

これはAFB及びCFBあるいは他の格闘技プログラムとは根本的に違う。

どういうことかと言えば、まずスタジオのプログラムではないと言う点、そして集団で行うことも、個人個人で行うことも可能であるという点だ。

JFBAでは、このプログラムを「コンタクト・ボクシング・トレーニング」と呼んでいる。 詳しくは次の項の後半で説明したいと思う。

 
【 FBの魅力と特徴 】
このテーマを説明しようと思うと少々頭が重くなる。簡単な話し、実に多いからだ。あえていくつか挙げてみる。
1

最初に述べたように、ただでさえシンメトリーなエクササイズであるのに、FBでは更にボクシングの右利きのスタンスと左利きのスタンスの両方を5:5で行い進行するために、シンメトリー性はほとんど完璧なものとなっている。

2

パンチングの時も、ディフェンスの時も、常にひねりの動きがあるため、外腹斜筋を絶えず使うことによるウエスト周りのシェイプアップ(ボクシングの動作にFB独特のアレンジが施されている)であり、効果が大きい。

3

ボクシングステップワークと音を合わせたことにより、コンビネーションの面白さが倍増し、それに加えて運動強度の張性が自在に行える。更にステップワークとパンチングを組み合わせることにより、下半身の筋力(特に大臀筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋)強化につながり、結果全身運動としてのバランスが優れたものとなっている。また、店頭の危険性のある片足立ちになるキックは幅広い年齢層を対象としたFBには適合しづらいものであると考え、FBでは取り入れられていない。

4

「パンチング=ストレス解消」に関してだが、パンチングは運動の動作の中でも、集中力を生み出しやすい特性を持っている。それに加えてFBでは、インストラクターがミットを持ち、参加者がそれを目がけてパンチングするいわゆるミット打ちを取り入れ、そのことにより爽快感を増幅させストレス解消効果をより大きなものにし、また、腕から全身にある程度の負荷がかかるため、骨粗しょう症の予防にもつなががる。

5

「パンチング=達成感=心身の健康」は、男性に限らず、女性もカッコよくパンチングしたい…。あるいは、ちょっとだけ強く(中にはトコトンという方もいるが…)なりたいと思

う願望を持っている。AFBプログラムは、心拍数はベルカーブで、また有酸素運動により脂肪を燃焼することを目的としているが、もう一つの目的として「カッコよく強く」を自然のうちに目的として行ってもらえるようなレッスンの進行が望ましいと考えている。自然に参加者がこの目的設定ができていれば、例えばパンチングの場合、もっとシャープなパンチでカッコよくなりたいと思えば、自分自身をチェックしなければならないスキル面がいるも出てくる。そして、それを意識しながら行い、達成感を得ることにより、参加者は、精神的な強さを身につけてゆく。最近、「癒し系」がブームとなっているが、これはとても重要なことで、私自身、癒しのため音楽を聴いたりして、その恩恵にあずかっている。…がしかしである。癒し系ばかり求めていては心身の健康は手に入れられない。あるいは維持できない。今の厳しい現代社会の中で、この癒しと同じ位のウエイトで精神的強さをもとめることにより、WHOの健康の定義(肉体的健康・精神的健康・社会的健康)のうち2つを得られるのだと考える。要は、達成感の積み重ねが精神的強さを作って行くのだからその達成感を得られやすくしたものがFBである。

6

最後に前項の終わりで少しふれた「コンタクト・フィットネス・トレーニング(CBT)」についてだが、このプログラムは、サンドバッグ、パンチングボールなどをフィットネスクラブなどの空いている空間に設置し、実際に参加者はグローブをしようして行うものである。ここ数年、ボクシングジムに通う女性が増えてき、マスコミ等でも取り上げられているが、実際に健康やシェイプアップつまり試合を目指すことを目的としないで、ボクシングジムに通っている人口は、フィットネスクラブや公共の体育施設に通う人口の比でははい。理由として、受け入れる側が一般人のフィットネス向けのハードもソフトも持っていないに等しい所が多いからだ。前記でFBの魅力と特徴は、いくつか並べてみたが、現代の社会的背景とFBがフィットネスシーンに登場して8〜9年というタイミングが重なり合って、FBは多種のプログラムに枝分かれしての展開を始めている2004年現在、おそらくボクシング系(あるいは格闘技)のスタジオレッスンを導入していないクラブを探すほうが大変ではないだろうか。このことは、FBの構想を練り始めた95年頃、私自身想像できなかった。今また、現代の隠れたニーズに答えるためのプログラムを開発し、フィットネスの現場で多くの人々の健康に貢献して行きたいと考えている。    

 

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インストラクターより
 

伊福さつき(いふくさつき)

大阪府在住

関西地区A級インストラクター

FBインストラクター歴 8年

「フィットネスボクシング」、初めてその分野を知ったのは、今から8年前のことでした。

その頃の私は、ちょうど生意気盛りな年頃で、いい意味でも悪い意味でも、インストラクターとして調子に乗っていた時だったのです。

「結局は曲に合わせた、エアロ的ボクシングでしょ?やれそうかも。」と笑う私の高飛車をくじいてくれたのは、当時の私の友人達でした。

「ほんなら、ひとつ頼む。せっかくやるんなら、俺らみたいな不器用な男連中が、ほお、この人、のせ方うまいなあ、と思うクラスを目指してくれ。格闘技の経験者でも気持ちよく来れるクラスにしてくれ。ボクシングを本気で真面目にやってる連中が悲しくならんようなクラスにしてくれ。」

あまりにもストレートな彼らの言葉は、ずしりと重たく感じました。

本物なら認めてやるよ、まさに言われていたのです。

「インストラクターとして、真似事の技術はできても、所詮知ったかぶり。

そこに説得力や理論やキャラクターが備わっていなければ、いつか恥をかくんだ。」と、思い知った瞬間でした。

(今も、この時の感覚は、私の原動力になっています。)

− ところで、みなさんは、格闘技をする人、たとえばボクサーの「リズム」を見たことがありますか?

相手の呼吸に合わせるためのリズム、相手の呼吸を崩すためのリズム、そして自分独自のリズム。

リズム=呼吸でもあるのですが、それはそれは多彩なヴァリエーションが、繰り出されています。 無意識が生む、秒速の本能的動作です。

スリルがあり、個別性に富み、単純なものほど「奥が深い」ということなのです。

体の内側からのリズムひとつとっても、千差万別ですものね。 ひとくくりにしてしまう方が絶対につまんない。

「慣れても慣れても次がある楽しさ」が本物にはあるのです。

これが、フィットネスボクシングの「ルーツ」とも言えるでしょう。

フィットネスボクシング、ぜひ、ご一緒しませんか?

エアロとはまた違う独自の奥の深さ、皆様にお届けできれば幸いです。

皆様のご参加をお待ちしております。

 

インストラクター

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